平成15年6月4日

 

福島県知事

佐藤 栄佐久 様

 

 

 

6月定例議会要望書





公明党福島県議会議員団

  幹事長 中 島 千  光
  幹  事 甚 野 源次郎
  幹  事 箭 内 喜  訓

 

 





要 望 書

 

 現在、我が国経済の先行きが不透明なのに加えて、株価の低迷は日本経済に深刻な影響を及ぼしている。日経平均株価は、一時8,000円を大きく割り込むなど、バブル後最安値を再三更新している。

 また、5月31日、2002年度の地方税収が、地方財政計画の見積額の34兆2千5百63億円を約1兆3千億円下回ることが総務省の推計で分かった。地方税収の不足は6年連続となる。このような景気低迷や地方税収不足の中、最優先課題は言うまでもなく、デフレ克服に向けたあらゆる対策を総動員して当たらなければならない。我が党、神崎武法代表も「与党が提出した緊急金融対策を政府は真摯に受け止め、機動的かつスピード感を持って対応すべき」と強調。

 一方、県内経済は生産活動に回復の動きが続くとともに雇用情勢にも若干の改善の動きが見られるものの、個人消費は依然低調に推移しており、引き続き厳しい状況となっている。

 更に、去る5月10日の降霜により県北・南会津地方を中心にモモ、リンゴ、ブドウ等に5月23日現在1億3千万円に及ぶ被害、加えて5月26日に発生した三陸南地震の影響により、被害を受けた相馬市松川浦漁港内の災害などに対して、県民生活の安定に配慮した予算執行が早急に図られるよう、知事のご精励に期待し、以下要望する。

 




一、東京電力の原発再稼働について

 6月1日、経済産業省原子力安全・保安院の佐々木院長は、東京電力の原発トラブル隠しにより10基すべてが停止している原発再稼働問題で、原発立地・周辺地域の双葉郡8町村の双葉地方エネルギー政策推進協議会において、原子炉格納容器の気密性検査が終了した福島第一原発6号機について「安全な運転に支障がないことを確認した」と報告した。国の「安全宣言」は柏崎刈羽原発6号機に次ぎ、県内の原発では初めての「安全宣言」である。

 県議会としては、今回の国の安全宣言を踏まえ3日のエネルギー政策協議会で集中論議し、9日には全員協議会を開催し、さらに論議を深めることになっている。そこで、県として、今後、国、東電の責任、地元市町村をはじめ県民の安全性、信頼性に対する意見を十分踏まえ、慎重かつ懸命な対応を要望する。

 


一、地方税財政の「三位一体改革」推進について

 地方公共団体の自主性・自立性を高め、より一層の事務・権限の移譲を推進するには、税源移譲による税財源措置は不可欠であるが、5月30日、県町村会は本年度総会で、国から地方への税源移譲を基本とした改革を進めるよう地方税財政の「三位一体改革」の確実な推進を求める緊急決議を可決した。

 また、緊急決議は、地方分権改革推進会議の試案に対し「地方交付税の財源保証・財政調整機能の縮小、廃止につながる」と指摘した。

 本県においては6月13日に、県内地方六団体主催による総決起大会が開催されるが、「三位一体改革」の確実な推進を国へ強く働きかけるよう要望する。

 

一、新型肺炎(SARS)の対応策について

 現在、中国や台湾などで猛威をふるっている新型肺炎(SARS)は後を絶たない状況下にある。

 5月31日までに世界保健機関(WHO)に報告された新型肺炎の患者数は、32ヵ国・地域の8,350人で、死者は764人となっている。

 本県は国際港小名浜港と福島空港を抱えており、人の移動や物流を通して新型肺炎伝播の危険性もある。万一発症者を出した場合、本県の受けるダメージは大きい。

 そこで県においては、(1)速やかな連絡・報告体制の強化(2)水際防疫対策の徹底(3)感染症者指定機関・救急搬送など医療体制の確立などを強く要望する。

 

一、食の安全と県民の健康を守る対策の充実について

 食品安全基本法が5月16日、改正食品衛生法が23日に成立するなど食の安心と安全の確保に向けた法体系が総合的に整備され、食品行政が大きく改善されると期待されている。さらに、受動喫煙に初の防止規定が盛り込まれた健康増進法が5月1日から施行されるなど国民の健康を守る施策の展開が期待される。本県において、食の安全についてはすでに食品の安全確保に係る基本方針、食品安全確保対策プログラムのもとに先進的に取り組んできたところであるが、さらに、消費者本位の総合的な施策の充実と展開を強く望むところである。

 また、健康増進法の施行に伴い、県は、健康増進計画に基づく積極的な展開と市町村のおける健康増進計画の策定を促進するよう強く要望する。

 

一、県独自の循環型社会形成について

 県は6月2日、県環境審議会に循環型社会形成に関する方針の策定を諮問。

 諮問事項については、廃棄物やリサイクルなどの物質循環だけでなく、自然環境や野生生物の循環サイクルなども含めた県独自の理念をまとめ、7月下旬の中間答申に盛り込むことを確認した。

 今回の諮問は「各地域の立地条件などの特性に応じた循環型の構築をする必要がある」との昨年12月にまとめた県議会の循環型社会対策特別委員会の報告書を受けたものである。

 県としては、是非とも多くの県民の声が反映される県独自の循環型社会形成となるよう要望する。

 

一、県における審議会等女性委員の登用推進について

 あらゆる分野における政策・方針決定過程への女性の参画は男女共同参画社会の形成の基盤となるもので、男女共同参画基本計画の最初に掲げられている重要な項目である。4月8日に男女共同参画会議が「女性のチャレンジ支援策の推進に向けた意見」を決定。2020年までに、社会のあらゆる分野において指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%にするという数値目標が出された。

 そこで、本県においても女性の視点や意見を反映するため、県の審議会等における女性委員の割合の増加について積極的に取り組まれることを要望する。

 

一、コミュニティ施設活用商店街活性化事業の推進について

 近年、地域経済・社会の核である商店街は、空き店舗の増加により、その魅力が低下してきているため、空き店舗の解消は緊急の課題となっている。他方、女性の社会進出による保育需要の増加、急速な高齢化による高齢者対応事業の必要性が高まっている。

 そこで、県としてまず都市部において商店街の空き店舗に保育施設や高齢者向け交流施設等を設置することにより、空き店舗の解消と少子高齢化への対応等を図り、商店街に賑わいと活性化を図られるよう、強く要望する。

 

一、福島空港の利活用による観光の振興について

 国際的にSARSの影響があり、国内的には長引く不況で観光客の伸びも厳しい中、観光は、地元雇用や地場産業の振興など裾野の広い産業であり、21世紀のリーディング産業として、本県の豊かな自然、歴史、文化などを生かした交流事業の展開が期待されている。福島空港の利用について就航先との積極的な誘客、交流の展開が重要であり、今回、福島−ソウル路線交流促進ミッションで知事訪韓についてその成果が期待されるところである。

 今後、観光交流について、福島空港の利活用を軸にグリーンツーリズム、フラワーツーリズム等のツーリズム推進体制の充実など広域的、総合的な観光戦略を強く要望する。

 

一、開かれた学校づくりへ「学校評議員制度」の導入推進について

 地域住民が学校運営に参画する制度的な位置付け仕組みとして「学校評議員制度」が平成12年4月に導入され3年が経過した。

 本県においても平成13年度にモデル事業として県立高等学校7校で実施され、平成14年度からは県内の全県立高等学校89校に拡大された。

 そこで、県として導入が遅れている県内の小・中学校にも導入推進がなされるよう90市町村の教育委員会に対し、助言をされるよう要望する。

 

一、児童虐待問題と学校教育について

 児童相談所への相談件数が増加するなど、保護者による児童の虐待に関する問題の深刻化を踏まえ、平成12年11月「児童虐待防止法」が施行されたが、児童虐待問題は以前として深刻な状況にある。

 そこで、県として問題行為や非行・不登校の背景に児童虐待が存する場合もあり、学校教育として、予防、早期発見、事後にわたって積極的にこの問題に取り組んでいかれることを強く要望する。

 

一、ヤミ金融対策について

 法外な金利で貸し付け、強引な取り立てを行う「ヤミ金融」と呼ばれる高利金融業者による被害が出ている。その手口はますます悪質・巧妙となり、一般市民に被害が拡大している。今国会では、ヤミ金融問題に対応する法改正案が提案され、成立する見通しになっているが、県警察本部において取締りの強化を一層図られることを強く要望する。

 

一、治安対策の強化について

 県警察本部として、常日頃、県民生活の安心、安全確保のため、街頭活動を強化し犯罪防止に全力を傾注していることに心から感謝申し上げます。さて、去る5月19日の深夜、福島市内の交通量の多い国道13号沿線のコンビニエンスストアで暴力団による発砲事件があり、市民を不安に陥れた。近くには、小学校や保育所等があり、日中、市民が巻き込まれる危険性が大きく、許し難い事件である。今年の発砲事件は、すでに5件に及びいずれも暴力団の抗争がからんでいるとみられる。

 県民が安心して生活できるよう暴力団の撲滅、懸念される外国人犯罪など治安対策を一層強化するよう要望する。