平成14年9月4日

 

福島県知事

佐藤 栄佐久 様

 

 

 

9月定例議会要望書





公明党福島県議会議員団

  幹事長 中 島 千  光
  幹  事 甚 野 源次郎
  幹  事 箭 内 喜  訓

 

 





要 望 書

 

 日本経済再生のカギを握る来年度予算は、8月末に各省庁からの概算要求が締め切られ、編成作業がスタート。

 金融対策の機能が著しく低下している現在、財政の役割をもう一度再認識しなければ、未経験のデフレ経済危機は乗り切れない。デフレ克服を最優先課題とし、金融・財政など政策を総動員して、改革や景気回復を同時並行で進めていくしか危機打開の視点はない。その上で、来年度予算は、国民生活の目線で配分にめりはりをつけ、民間投資や個人消費が活性化する中身にする必要がある。

 一方、本県においては、行政構造改革プログラムの集中改革期間の初年度として、各事業の見直しで、歳出削減に努めた予算編成の中、去る7月の台風6号の災害による復旧経費など速やかな補正予算の執行をお願いするとともに、厳しい経済、雇用情勢への取り組みが求められている。

 更に今回、東電による原発検査改ざんが発覚したことは、県民の原発に対する信頼性を裏切るものであり、国・東電の原発に対する責任ある対応を強く望むものである。この中、県民生活の安心と安全への施策の的確な知事のご精励を期待し、以下要望する。

 




一、東京電力の原発検査改ざんについて

 

 8月29日、経済産業省原子力安全・保安院の調査で、東京電力が福島第一、第二両原発の原子炉10基すべてと柏崎刈羽原発3基の合わせて13基で1980年代後半から90年代にかけ、自主点検でひび割れなどのトラブルを見つけながら検査結果、修理記録の改ざんや虚偽記載など29件の不正を行っていたことが明らかになった。

 わが県議団としては、事の重大性にかんがみ、以下の点について要望する。

  1. 原発改ざんの原因究明を国に求めること。
     
  2. 国の検査体制の強化を求めること。
     
  3. 全ての原発総点検の実施を国に求めること。
     
  4. 県の調査団を現地へ派遣し、調査をすること。
     
  5. 未修理の5基稼働原子炉の停止を東電へ求めること。
     

 


一、台風6号による災害の早期復旧について

 

 台風6号による被害は、公共土木施設で県内に216億5千万円、農林水産業に関して、総額53億2千万円にのぼる深刻な実態である。

 そこで県として十分な補正予算措置を講じるとともに早急な災害復旧を図り、被災者に対して万全を期すことを強く要望する。

 なお、県議団として8月5日に申し入れた内容(別項)について十分な対応を迫るものである。

 
(イ) 暴風雨による農作物被害対策について以下6点、

  1. 被害農家への生産技術指導をより一層徹底すること
     
  2. 被害を受けた農作物の早期回復及び農作物の再生産や生産の確保を促し、被害農家の経営安定を図るため、福島県農業等災害対策補助金交付要綱により助成措置を講ずること。
     
  3. 被害農家の経営安定化のため金融支援措置を講じるとともに相談体制の充実を図ること。
     
  4. 特に被害の大きいリンコ゛、ももについては、外観上の品質の低下が避けられない状況にあり、生食用及びリンゴジュース等加工食品の販売等に対して十分配慮すること。
     
  5. 特に、今年度限りの園芸特産産地強化事業の、防虫ネットパイプハウスの県補助事業について降ひょうの防止等に大きな効果があり、その継続と拡大を要望する。
     
  6. 農家に対する的確な気象情報システムの確立を図ること。

 

(ロ) 台風6号による災害復旧について9点

  1. 土木施設・農業施設等の災害復旧の応急対策及び災害復旧事業の早期実施を図るとともに、十分な財政措置を講ずること。
     
  2. 災害査定の早期実施による早期災害復旧を図ること。
     
  3. 公共土木施設災害復旧費の適用にならない緊急を要する復旧箇所に対して、公共施設等維持補修基金の活用などにより、早期復旧に努めること。
     
  4. 被害市町村への財政措置を講ずるとともに、国に対し、地方交付税交付金増など災害対策特別財政措置等を要請すること。
     
  5. 今回、阿武隈川の「平成の大改修」により洪水被害の軽減効果は大きいものがあり、今後も国に阿武隈川の早期改修を強く要望すること。
     
  6. 河川不整備箇所の早期整備を図ること。特に、台風6号で44世帯に浸水のあった福島市渡利地区の「くるみ川」の整備など内水被害に対する、早急な対策を講ずること。
     
  7. 被害商工業者、被害農家への金融支援措置を講ずること。
     
  8. 被害農家の経営安定のため県農業災害対策補助金交付要綱による助成措置を講ずること。
     
  9. 被災農家に対して、農作物の病害虫発生予防対策の実施など生産技術の指導を図るとともに再生産や生産確保などへの対策を講ずること。


一、福島県廃棄物等の処理の適正化に関する条例(仮称)の制定について

 

 今年1月から6月までに県内で廃棄物の不法投棄で摘発されたのは41件61人で前年同時期と比べ5件29人多く、このうち産業廃棄物での摘発は17件33人と県警本部生活環境課が発表。このように、後を絶たない廃棄物の不法投棄に対して、現行法の下では必ずしも十分な対応ができない現状にあることを踏まえ、県は、福島県廃棄物等の処理の適正化等に関する条例(仮称)の制定を目指しているが県民の意見を条例に反映させるとともに、実効性のある条例になるよう強く要望する。

 

 

一、福島空港利用について

 


 福島空港発着の名古屋線の休廃止を含めた運行スケジュールの見直しを検討していた中日本エアラインサービスは来年1月14日から3月末までの運行を休止することを決定。これまで福島空港では13年度以降、季節便の帯広、函館、通年運行の広島の3路線が休廃止となっている。

 そこで、県としては福島空港利用拡大促進に向けた対応を強く要望する。

 


一、食品の安全性の確保について

 

 本年初頭の雪印食品から最近の日本ハムに至る食品表示偽装事件の続発により、食品表示に対する国民の信頼が大きく揺らいでいる。さらに、食品中の残留農薬や中国健康食品への薬物混入などにより、県民の食品に対する不安や不信が増大している。国においては食品の安全性の確保のため「食品安全基本法(仮称)」の制定など、食品安全行政を確立する必要がある。

 そこで、県としては食品の検査機能の充実強化を図るとともに、関係機関との連携の強化に努め、食品の安全性の確保に万全を期すよう要望する。

 

 

一、障害者の支援費制度について

 

 身体障害者と知的障害者向けの新しい福祉サービス「支援費制度」が来年4月から始まる。障害者自らがサービスを選んで事業者と契約し、自己負担分を除いた利用料を国や地方自治体が支援費として補助するようになる。

 県では、9月下旬から支援費取扱い事業者の指定申請受付及び指定を開始するとしている。10月からは利用希望者がサービスを選んで市町村に申請することになる。

 そこで県においては、支援制度が円滑に推進されるよう、障害者への情報提供や市町村への支援などに万全を期すよう要望する。

 

 

一、第15回全国健康福祉祭ふくしま大会の成功を!

 

 第15回全国健康福祉祭ふくしま大会(愛称・うつくしまねんりんピック2002年)が10月19日から22日までの4日間開催され、全国から2万人を越す参加者を迎える。県下23市町村において各種交流大会やイベントが実施されることになっており、参加者そして県民にとって心に残るすばらしい大会になるよう万全を期することを要望する。

 

 

一、来春高卒者の就職推進について

 

 来春卒業する高校生の就職活動が始まっているが、全国的に今春の卒業生の就職内定率は89.7%と過去最低で、来春は更に厳しくなると言われている。

 そうした中、同時に複数の企業に応募することを禁じた「1人1社制」が、各都道府県の労働局と教育委員会、経営者団体などでつくる会議で話し合われた結果、福島県など11県で見直しが決定。

 選択肢が増えたことで内定の可能性が高まると期待されるが、来春高卒者の就職推進を強く要望する。

 


一、学校施設の耐震化の推進について

 

 7月末に文部科学省が発表した耐震改修状況調査結果によると、全国にある公立小・中学校施設13万3000棟のうち、約8万8000棟が建築基準法の耐震基準が強化された1981年以前の旧耐震基準で建てられたもので、このうち約7割に当たる約6万棟が耐震診断を実施していなかったとのことである。

 このことを受け、文部科学省は実態の全容を把握するため、都道府県教育委員会に対し、3年以内に耐震診断を終える計画を早急にまとめるよう通知したとのことである。学校施設は、地域の防災拠点になるところでもあり、その点からも安全性の確保はとても大事なことである。

 そこで、県としては学校施設の耐震化を強力に推進されるよう強く要望する。

 

 

一、警察官の増員及び治安対策の強化について

 

 最近、外国人による事件をはじめ犯罪の悪質化、凶悪化の傾向がみられる。県内においては、今年に入り強盗事件が多発し、すでに昨年1年間(45件)の発生件数に迫る深刻な状況にある。さらに児童虐待やストーカー犯罪、DVなど新たな対応が迫られるなど業務負担が増大している。

 県民が安心して暮らせる安全な地域社会の実現のため一層の治安対策の強化に努めるとともに警察官の大幅な増員を強く要望する。