平成14年5月31日

 

福島県知事

佐藤 栄佐久 様

 

 

 

6月定例議会要望書





公明党福島県議会議員団

  幹事長 中 島 千  光
  幹  事 甚 野 源次郎
  幹  事 箭 内 喜  訓

 

 





要 望 書

 

 最近、景気の先行きにはやや明るい兆しが見られ、景気判断についても官民ともに事実上「底入れ」したという見方が広がっている。


 確かに数字の上で景気が改善傾向にあることは間違いないところであるが、輸出頼みの側面が強く、設備投資や個人消費など内需に力強い動きが見られる状況には至っていない。


 本格的な景気回復へ向けて最大の焦点は、牽引力となる設備投資と個人消費をどう拡大させていくかにかかっている。デフレ克服へ向けて政府の対応も国民の目線で、早く、大胆に、切れ目ない経済運営が問われることになる。


 一方、本県経済動向の雇用面においては、有効求人倍率が、2ヵ月連続して上昇したものの、低水準で推移しており、依然として厳しい状況にある。4月末の新規高卒未就職者数も、労働基準局調べでは290名にのぼっている。


 今後とも、早期就職の促進を図り、中小企業の経営安定対策及び、雇用対策に全力で取り組まれるよう知事のご精励に期待し、以下、要望する。

 

 




一、核燃料税の更新について

 県が新たな枠組みの導入を目指す核燃料税で、税率アップの根拠となる原子力防災などの財政需要が先般、明らかになった。原子力発電所周辺の防災や地域振興など広報・安全・防災、健康管理、民生安定、産業振興の4つの視点で構成され、今後5年間の必要額は616億4,700万円を見込んでいる。

 県の説明に対し、東京電力側が、前例のない増税だと反発しているが、県の事業の必要性についての理解と、解決に向けた協議を更に重ね、県と東京電力の信頼関係を維持されることを強く要望する。

 

一、首都機能移転の候補地選定について

 衆議院国会等移転特別委員会の決議において、今月中に移転候補地を絞り込むと決 めていたが棚上げし、衆院議長の下に新たな機関を設置して協議する方針が示されて いる。
 これは候補地を選定する国会決議を自ら“放棄”するものであり、国民や候補地への十分な説明がなされなければならない。
 本県としては、審議会答申で「栃木・福島」地域が最良の評価を得た経緯を踏まえ、今後、国会決議に基づく国会の責任を果すよう強く要望する。

 

一、降霜による農作物被害対策について

 去る4月27日から29日にかけて中通りや阿武隈地域を中心に降霜があり、26市町村に及ぶ広範囲で、果樹や野菜などの農作物に大きな被害が発生した。その被害 額は、8億8千万円に上がることが判明した。
 私ども公明党県議団は、このような被害状況を重く受け止め、早速、5月8日に県中農林事務所須賀川農業普及所、須賀川市役所。県南農林事務所にて、降霜被害と今後の対策等について伺い、更に、須賀川市、白河市、東村の各地域及び、5月10日には、福島市などの県北地域で現地調査を実施。直接被害農家からご意見、ご要望等を聴取したところであります。
 そこで被害農家支援のため、農作物被害対策について、

  1. 被害農家への技術指導をより一層徹底すること。
  2. 被害を受けた農作物の早期回復及び農作物の再生産や生産 確保を促し、被害農家の経営安定を図るため、福島県農業等災害対策補助金交付要綱により助成措置を講ずること。
  3. 被害農家の経営安定化のため金融支援措置を講じるとともに、相談体制の充実を図ること。
  4. 農家に対する的確な気象情報提供システムの確立を図ること。

以上4点につき、強く要望する。

 

一、ワークシェアリングの普及・啓発について

 厳しい失業情勢を踏まえ、厚生労働省は6月1日から、従業員の雇用を維持するために労働時間を短縮して、仕事を分かち合う“緊急対応型ワークシェアリング”の実施企業に対して「緊急雇用創出特別奨励金」による支援策を拡充。
 これまでの45歳以上60歳未満の非自発的失業者を雇った事業主に正社員1人当たり30万円を支給していたが、緊急対応型ワークシェアを導入して雇用創出に取り組む企業には、新たに週20時間労働以上で1年以上の雇用見込みの者でも支給することにしている。更に100万円(従業員301人以上)、30万円(300人以下)を制度導入時に加算している。
 そこで本県においては、国の支援策拡充を受け、ワークシェアリングの普及・啓発を強く要望する。

 

一、文化・芸術の振興について

 昨年、文化芸術振興基本法が成立したことに伴い、文化芸術の振興が前進する中で創設された「新世紀アーツプラン」には、平成14年度予算に約193億円が盛り込まれ、文化芸術大国の構築に向けた様々な施策がスタート。
 そこで、本県の特性を生かした文化振興策については見直しを図り、本県独自の地域性や時代性に応じた文化振興ビジョンの作成を要望する。

 

一、沖縄との新たな平和・文化交流について

 今月15日、沖縄が本土復帰して30周年を迎えた。また、今夏は戦後57年目を迎えるが、今もなお数多くの課題を抱えており、平和で豊かな沖縄が築かれることを願わずにはおれない。沖縄は、アジア各国と交流を重ねてきた友好の心・世界へ移民を送り出してきた進取の気性・人々の心をつなぐ優しい平和の文化が息づいている。
 本県はこれまで、戦没者の慰霊祭が執り行われるなど知事が率先して数多くの交流がなされてきたところである。
 特に、福島空港の開設とともに沖縄は近い県となり、現在、年間6万人を越える利用をみている。稲嶺沖縄県知事は戦時中、本県の福島市及び保原町に学童疎開していたご縁から沖縄福島県人会の特別顧問としてご尽力を戴いていると伺っている。
 いま、新しい世紀を迎えて、四季を通じて豊かな自然環境を誇る本県と沖縄県との間で次代を担う青少年を中心とした新たな視点からの平和・文化交流を提案するとともに、その実現を強く望むものである。

 

一、完全学校週5日制への取り組みについて

 今年4月から、小・中学校で新学習指導要領が実施され、「学校週5日制」が全面的にスタート。
 学校週5日制は、学校・家庭・地域社会の役割を明確にし、それぞれが協力して豊かな社会体験や自然体験などの「生きる力」を育むことを目的としており、子どもたちに様々な体験や活動を与えると同時に、

  1. 学力低下を心配する保護者や子どもの居場所を心配する共働き親の不安を解消する
  2. 地域の人々・ボランティア・地元企業等の参加で地域活性化が図られる

−など期待が大きい。
 そこで、県教育委員会は、県内小・中学校に対して、このような成果を得るための的確な情報を提供し、その受け皿づくりの推進を強く要望する。

 

一、新生児の聴覚検査の早期実施について

 難聴を新生児段階で発見・療育すれば、正常児と同程度の言葉が話せるまで回復する可能性があり、新生児における早期発見と幼児時からの早期療育の重要性が指摘されている。
 国は、今年度から新生児聴覚検査を実施する都道府県への助成制度をスタートさせた。現在、聴覚検査は3歳児検診時にしか行われていないのが状況である。
 そこで、県内の医療機関等における検査機器の整備や言語聴覚士等の人材の養成及び療育体制を図り、新生児の聴覚検査の早期実施を強く要望する。

 

一、「身体障害者補助犬法」による施設等の
   同伴利用促進の啓発について

 「身体障害者補助犬法」が今月22日に成立し、今年10月1日から施行される。体の不自由な人の動作を手助けする介助犬や聴覚障害者の“耳代わり”を務める聴導犬がこれまで盲導犬に限られていた公共施設や公共交通機関に同伴で利用できるようになる。
 そこで県として、障害者の社会参加と自立を促進するため、同法の施行へ向け、補助犬の施設等の同伴利用促進の啓発などに努めることを強く要望する。

 

一、市町村合併の取り組みについて

 市町村合併論議で、4月現在県内では10地区49市町村で他の自治体を交えた研究が動き出している半面、実質的な検討に入っていない市町村も2割に上がるなど、取り組みに温度差が広がっている。
 県は、合併に対する市町村の判断を尊重、選択に基づくそれぞれの地域を支援し、具体的な支援策を検討するため設ける庁内研究会のメンバーを決定したとのことであるが、合併特例法の期限が平成16年度末に迫っており、早急なる支援策をまとめられるよう強く要望する。

 

一、音楽療法と園芸療法の推進について

 県は、高齢者の痴ほう症予防と症状改善に向けて薬を使わない「音楽療法」と「園芸療法」の効果に着目し、本年度から県内の介護保険施設への導入に取り組む。更に指導者養成事業を新たに実施し、県内の施設職員を県外の研修施設に派遣して、指導者として育成するとのことである。
 これらの療法は、安らげる施設づくりや高齢者同士の交流促進にも効果が期待されており、一日も早く導入ができるよう強く要望する。

 

一、がん検診受診率向上対策について


 市町村が実施している県内のがん検診において、県医師会が平成12年度の世代別の受診率を算出したところ30、40代の受診が最も少ないことが分かった。仕事などの都合で受診しなかった人が多いとみられるとのことである。高齢なほど、がんは増えるが若い世代でも無症状のまま、進行がんになるケースもあることから県は、県医師会と連携し、市町村に対し、がん検診の受診率向上を図るよう強く要望する。

 

一、尾瀬の保護対策について

 日光国立公園・尾瀬の山小屋「長蔵小屋」が大量の廃材などを無断で小屋の近くに埋めていた問題で、環境省は改善命令を出す方針を明らかにした。
 県は、「長蔵小屋」の廃材不法投棄事件を受け、6月上旬にも、尾瀬の山小屋の経営者を集め、再発防止のための研修会を開くことにしたとのことであるが、自然公園法等の研修の徹底とモラルの向上等、防止策を強く要望する。

 

一、家電リサイクル法施行について

 使わなくなったテレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機の家電四品目のリサイクルを義務付ける「家電リサイクル法」が昨年4月に施行され、家庭や企業からでる廃棄物の減量と再生利用の循環社会に向けた取り組みが県内でも広がっている。
 しかし、収集の有料化に伴う消費者、小売店、メーカーのリサイクル料金の応分の負担や運搬の在り方、特に不法投棄問題など解決すべき課題もあり、県として各市町村へ尚一層の指導強化を図られるよう強く要望する。

 

一、JR駅等交通施設のバリアフリー化の促進について

 現在、県においては「人にやさしいまちづくり事業」を推進し、高齢者や障害者をもつ方々をはじめ、全ての人が安心、快適に生活できるまちづくりを目指してきている。さらに平成12年11月には「交通バリアフリー法」の施行により、交通アクセスの分野において具体的な施策が図られているところである。この中で、乗降客が1日25,000人を越すJR郡山駅と1日33,000人を越すJR福島駅においては、さらに、バリアフリー化の充実が望まれている。
 そこで県として、JR東日本、関係市との協議を踏まえJR郡山駅、JR福島駅における

  1. エレベーター・エスカレーターの設置等充実
  2. ユニバーサルデザインの視点

に立った案内表示板等の整備などのバリアフリー化の促進を図るよう強く要望する。